日本ソルテック株式会社

事例紹介

つくばセキュアネットワークリサーチ

つくばセキュアネットワークリサーチが開発・提供するサーバ機「Secup-BSD」は、サーバ管理者の負荷を減らすために、Webベースの管理メニューと、さらにつくばセキュアネットワークリサーチ側で各ソフトを自動的に更新する仕組みを組み込んだサーバ機です。OSだけでなくすべてのソフトの更新を自動化することで、メンテナンスフリーを実現しています。そのサーバ機のハード面のサポートには、日本ソルテックが全面的に協力しています。

セキュアなサーバのベースになるハードをお任せすることで、当社はソフト面に注力できます。

つくばセキュアネットワークリサーチ 代表取締役 坂元英紀様

専門知識なしに安全かつ楽に使えるサーバ機を大学に提供

Secup-BSD搭載サーバは各種ソフトウェアが自動更新されるので、運用コストを低く抑えられる。

―つくばセキュアネットワークリサーチさんの事業について教えてください。
 
いろいろな仕事をしていますが、日本ソルテック(以下ソルテック)さんとのお仕事では、「Secup-BSD」というサーバ用のハードウェアをソルテックさんから調達し、当社でFreeBSDと各種のサーバ・ソフトの導入・設定をして、筑波大学をはじめ、東京都内の学校法人関係他に納入しています。例えば、筑波大学のケースでは、納入したサーバは各学部などの管理者が管理しているのですが、サーバ自体は 学術情報メディアセンターの中に置かれていて、ソフトのバージョンアップやハードの更新は当社で行います。学内にいるユーザーからは、Web上のサービスを利用するのと同じような見た目になります。
 
―Secup-BSDの特徴をもう少し詳しく教えてください。

1つは独自の管理メニューで、あまり知識のない管理者の方でも、ユーザー登録やパスワードの再登録が簡単にできるようになっていることです。また、セキュリティに関係するアップデートを、当社で自動更新する仕組みを持たせておいて、お客様が気にしなくてもいいようにしています。
Secup-BSDサーバの場合、OSであるFreeBSDと、ApacheなどのWebサーバなどサーバ・ソフトのコードを管理している組織が違います。私たちは各組織が出すぜい弱性情報を常にチェックしています。ぜい弱性が見つかったというアナウンスやパッチの公開があった段階で、手元の動作確認環境でテストをし、自動配信サーバに載せて、お客様のサーバに自動適用します。
 

確実かつ丁寧な仕事と安心のハードウェア・サポートに満足

Secup-BSDサーバで使用されているハードウェア。2Uのラックマウントに4台の独立したサーバを搭載している。

―ソルテックとの関わりについて教えてください
 
ソルテックさんとは飛び込みに近い形で付き合いを始めました。当社を立ち上げた当初(2003年)から一緒に仕事をしていますが、まず当時はFreeBSDに対応したパーツを提供するハードウェアやメーカーが少ない中で、対応してもらえました。次に、いくつかのメーカーにサーバのキッティング(HDDや拡張カード、ケーブル類などを実装する作業)をお願いした中で、ソルテックさんが一番仕上がりがきれいだったんです。他社では例えばケーブルがファンをふさぐように配線していたり、電源からHDDへのケーブルをぶらぶらさせていたりしたんですが、ソルテックさんはきちんと配慮してまとめられていました。そしてソルテックさんは全国にサポート網を持っていて、ある程度のハードのサポートを任せられたことも大きかったです。そのおかげで当社はOSのインストールやセキュリティ設定などソフト面に注力できます。
FreeBSDの場合、ハードウェアのドライバ更新は、コンサバティブで、枯れたハードに対して安定なドライバを提供し続ける、という傾向があります。当社も、確実に動いて性能が出る、というパーツを選定して使っています。
 
―ソルテックならそういうパーツを確実に提供してもらえる、ということですね?
 
ええ。大手のメーカーだと型番は同じでも毎年入ってくるパーツが微妙に違うということがあります。それは困るので、ソルテックさんには最初から「なるべく同じ部材を長く供給してください」と相談しました。使い続けられるものを長く提供してもらうことで、小規模な当社でもパーツ管理やソフトの保守が煩雑にならなくて助かっています。
私たちの仕事では、ソフトのアップデートのほかに、ハードウェアの故障への対応も必要になります。こちらが監視をして、トラブルの原因がソフトなのかハードなのかの切り分けをしますが、ハードの故障の場合で、筑波大学にあるサーバは当社が対応し、それ以外は、ソルテックさんにお願いしています。
またディスク回りはどうしてもいつか壊れてしまうのですが、Secup-BSDサーバのハードディスクはいわゆるエンタープライズ用のもので、量販店などの店頭ではあまり販売しておらず、普通は発注から出荷まで数日かかってしまいます。そこはソルテックさんに融通をきかせてもらい、大学本体の分は部材を当社内に置いてもらっていて、すぐ対応できるようにしています。
 

機器同士の相性による障害を助けた豊富な経験

―10年も一緒にお仕事をされているといといろなことがあったと思います。何か印象的な出来事があったら教えてください。
 
うちでも初めての事例でしたが、お客様に「大容量のサーバが欲しい」と言われてHDDを16本積んだサーバを作ったことがありました。ところが1つのRAIDカードで動かすとそのサーバがフリーズ(異常停止)してしまうんです。
そのRAIDカードは、2つのディスクグループをシステム用とデータ用の2つに分けてそれぞれストライピングする、という構成だったんですが、データ用のディスクにアクセスが集中すると。それにシステム側が引きずられて停止してしまうんです。しかも、カーネルパニックといって、エラーを表示することなくフリーズしてしまうので、障害が起きたときの情報が何も残らなかったんです。ソフトのほうからは調べようがない。この障害対策にはソルテックさんにお手伝いいただきました。メモリーから順繰りにチェックしていってハードウェアの組み合わせなど変えてを試していくしかありませんでした。結局はRAIDカードを2つ搭載して分けることにして、うまく動くようになりました。
 
―サーバに実装する機器の選定も、ソルテックに任せられているとお聞きしました。
 
ええ、こちらは例えばこのチップセットやディスクコントローラーを積んだものをお願いします、といった形で指定をして、あとはソルテックさんに良さそうな機器を選定してもらっています。
 
(ソルテック)今納入しているハードについては、こちらで機器メーカーの公開情報を調べて、TSNRさんで動かしているFreeBSDのバージョンに合うものを選んでいます。それで検証機を構築して、TSNRさんに検証してもらっています。この段階で不具合が見つかることもあり、その場合は組み合わせを変更します。
 
―そういう細かな動作検証を含めると、かなりコストがかかりそうですが…。
 
(ソルテック)結局は営業費用の中でやっていますけれど、小さい会社同士で融通を利かせていることがありますね。
 
(坂元さん)メーカーからソルテックさんにハードウェアを借りていただいて、当社で検証作業をするということもあります。長い期間使うものなので、じっくりと検証をして構成を決めていきます。構成を決めるまでに半年くらいかけることもありますね。
 
―FreeBSDだと大手のメーカーは対応できないんですか。
 
そうですね。Linuxならばまだ動作保証をするメーカーはあるんですが、「FreeBSDは動きますか?」と聞いても「動作保証外です」と言われることが多いようです。それに、FreeBSDで検証したいのでと言って検証機の貸し出しをお願いしても、なかなか貸してくれません。
 
―Linuxへのシフトが進んでいても海外ではまだFreeBSDも根強く使われていますよね。
 
ええ、FreeBSDはまだ開発も続いていますし、無くなってしまうことはないでしょう。それにサーバ用ではFreeBSDは人気があります。例えばYahooなどもプラットホームに使っています。Linuxの個々のディストリビューションのような浮き沈みもなく、安定して供給され続けていますし、設定なども含めてサーバ用としては使いやすいですから。
あと、FreeBSDは管理のフィロソフィが一貫しているのです。Linuxでは設定すべき場所が各ソフトごとにバラバラなことがありますが、FreeBSDでは統一されています。
なので、例えばWebサーバやメールサーバを動かすだけならばLinuxで十分なんですが、「管理をする」ということを重視し、それサポートをすることを考えると、FreeBSDは優れている。私たちが一番やりやすかった、と言ってもいいですね。そしてそれを安定稼働させるには、ソルテックさんのハードウェアとサポート力が必要なのです。
 
―ソルテックに今後期待することはありますか?
 
今、世の中では単品のサーバよりは、仮想化環境を作っていくつもの仮想マシン(VM)を稼働させたいという風潮があります。1台のサーバ上にいくつもの仮想サーバを走らせることになるので、高スペックなサーバが必要になり、動作検証やサポートも複雑化します。そういうところでソルテックさんと協調できればいいなと思っています。




<<用語>>
■BSD、FreeBSD
BSDはUNIX系OSの1種。Berkeley Software Distribution の略語で、1977年から1995年までカリフォルニア大学バークレー校 (University of California, Berkeley, UCB) の Computer Systems Research Group (CSRG) が開発・配布したソフトウェア群、およびUNIXオペレーティングシステム (OS)。BSD自体の開発は停止したが、それからFreeBSD、NetBSD、OpenBSDなどが派生した。現在のMac OS XにもつながっているOSである。